ムロランアートプロジェクト「map」による「鉄と光の芸術祭2026」が閉幕し、
搬出・撤去の作業を終えた。
予算や人員を集めるのに発足以来、長年苦労を重ねているが、代表の荒井純一さん
(チューミュージック代表/シンクスクール企画コース3期卒業生)が毎年奔走し、
資金集めや集客につながりそうなイベントを用意してくれている。
そんな中で、PROJECTAが担当しているのは、芸術祭の一企画としての美術展の企画運営。
室蘭の旧市街ともいえる中央町エリアの数か所に作品を展示しもらう。
ムロランアートプロジェクトで一番面白く、刺激的なのは、
ほかの芸術祭とは少し違っている。
何年も時間をかけながら、この街の市井の人たちが醸し出す
魅力に少しずつ気づいていくところにあると個人的に思う。
ある種、昭和をそのまま真空パックにしたような街。
そのタイムスリップしたような魅力は、一泊しなければなかなか気づけないだろう。
昨年は、夜中にしか開かない、お酒も飲める純喫茶「パーラーサトウ」に出会い、
一目で惚れてしまった。
時間が見事に止まっている。
80歳を超えるおばあちゃんが、たった一人、ワンオペで夜中にだけ開ける喫茶店。
前代未聞である。
今年は展示会場として場所をお借りしたいと頼み込み、どうにか展示させてもらった。
そして今年、初めて出会ったのが、「スナック りつ子」
これまた80歳を超えるおばあちゃんが一人で、毎日、年中無休で開けているスナックだ。
人の人生や街の変遷に、会話をしながら触れることができる。
スナックとは、こんなにも町の記憶が蓄積された場所なのかと、ようやく気づいた。
町や土地をリサーチするなら、資料館とともに、夜のスナックも外せないだろう。
来年の展示会場として場所をお借りしたい、と伝えてきた。
純喫茶、スナック。
今この年齢になって、昭和と出会いなおしている。
私たちは、こうした場所を失いながら、どこへ向かっているのだろう?
便利さや新しさと引き換えに失ってしまった、
時間の流れ方や、人との距離感のようなものが、
ここにはまだ残っているように思えてならない。
ただ、まだ出会ったばかりなので、うまく言語化できていない。
この魅力をうまく伝えることができない。
それが少し悔しいのです。