TAKAHASHI Kiyoshi

2024-2025 / 映像（5:07）

無関心に関心がある。
遠くのことや自分と関係のないと思われるものへの無関心さ、社会的なことや政治的なことへの自身の参加のできなさ、当事者性が薄いのに作品で扱うこと。それらの後ろめたさを抱えながら制作している。

そのため、偶然の出会いや、別の理由で繋がってしまうことに可能性を感じている。端的に言葉にすると、プロセスの前のプロセス「pre-process」をいかにつくるか、興味のない人との接触をいかに構築するかという試みである。

1967年、イスラエルによってパレスチナ国旗の使用と掲揚が禁止された。ガザ地区やヨルダン川西岸でも、旗を掲げただけで逮捕されることがあり、国旗と同じ赤・緑・白・黒の色を持つスイカが、代替として用いられ、抵抗やアイデンティティの象徴となった。

今作では、パレスチナ支援のメッセージで使われるFree Palestine（パレスチナを解放せよ）という言葉を、Free Watermelon（無料のスイカ）にあえて誤読し置換させた。

「Free Watermelon Bar 」は、スイカの飲み物を無料で配布するパフォーマンスの様子を記録した映像作品だ。これは、パフォーマンスであり、無料のBARであり、知らない人との立ち話であり、ジェノサイドへの抵抗である。

できうるかぎり作品を多面的に捉える。
その思考と実践が、私にとっての抵抗の美術なのです。

2024-2025 / 映像（17:42）

本作は札幌在住の医師・猫塚義夫さんへのインタビューを通じて、パレスチナの歴史や現地での医療奉仕活動などについての話を伺いながら、作家自身が世界の一端に触れていく記録映像です。

作家がインタビューをしながら、パレスチナの困窮する現状や歴史的背景、パレスチナ問題について知っていくとともに、作品を制作する作家の戸惑いや逡巡する姿も映しだされています。

多様化し複雑化する社会の中で、遠い異国の戦争について正確に捉え判断することが難しくなっていることに問題意識を感じている。そこで、学んだ結果を示すのではなく、作品制作を学びのプロセスと置き換えて、学んでいる姿そのものの記録と公開からはじめようと考えタイトルを「ワールドスクール」とした。

BODY/LANGUAGE/FWB

2024 / video（01:08)

When I was playing a gesture game with my children, I was interested to read in a book that gesture games are the beginning of language.
Body language as a physical language is often transmitted across national borders as a form of nonverbal communication, and I decided to rethink body language as a primitive language that transcends time, country, and generation.

BODY/LANGUAGE/FWB

2024 / 映像（01:08）

子供とジェスチャーゲームをすることがあり遊んでいたところ、とある本にジェスチャーゲームが言語の始まりという話があり興味を持った。
身体言語としてのボディランゲージは非言語コミュニケーションとして国境を超えて伝わることも多く、時代も国も世代も超えるプリミティブな言葉としてボディランゲージを捉え直してみようと考えた。

2024 / ⽊材、アクリル、テント、電球 /h2200mm x w1600 x d810

フリー・スイカ・バー/ Free Watermelon Barの屋台。
移動式屋台として自由にどこでもスイカバーをオープンできる。
BARでは無料で、スイカジュース、スイカとカルピスのミックスジュース、スイカとリンゴのミックスジュース、スイカのモヒートなどがもらえる。ドリンクを受け取る際にはバナーへのサインが必要となる。

撮影：山岸誠司

《FWB Banner in Sapporo》

2024 / キャンバス、インク/ h1380mm x w1820 x d40

2024年9月1日13:00-20:00 と、9月2日15:00-18:00に、狸小路5丁目 空き地と10月19日21:00〜21:30にCAI03で開催した「フリースイカバー」でドリンクを受け取ってくれた400名を超えるサインが書き込まれたバナー。開始当初は名前のサインだけだったが、ある人がスイカの絵を描いたことをきっかけに、次々とスイカを書き込む人が増えていき、図らずもFree Gaza/Free Palestineに連帯するサインのようなバナーができあがった。

撮影：山岸誠司

2024 / キャンバス、アクリル / h1820mm x w1200 x d40

近年、手話・指文字・ハンドサインも「言葉」であり「文字」であると考え、ハンドサインをモチーフにした作品を制作している。今作は、フリースイカバーの映像内で、参加者がカメラに向かって3本指のハンドサインをしてくれたことがきっかけで生まれた。当初、そのサインの意味を知らなかったため調べてみると、「民主主義を支持する」という意味があることがわかった。これは主にアジア圏で使われるジェスチャーであり、言葉や意味がどのように生まれ、広がっていくのか、その背景とともに強く関心を持った。

撮影：山岸誠司

2024 / キャンバス、アクリル / h1820mm x w1200 x d40

近年、手話・指文字・ハンドサインも言葉であり文字であると捉えハンドサインをモチーフとする作品を制作している。日本におけるピースサインもボディーランゲージの一種で、日本やアジアでは楽しさや喜びを表す意味になる。イギリスなどの英語圏では、「Victory（勝利）」を意味するVサインと言われるほか、反戦や平和という意味を持つ。

撮影：山岸誠司

2024 / キャンバス、アクリル / h1820mm x w1200 x d40

1本の打ち消し線から始まり、2本、3本と打ち消し線が増える順番で文字を続けて読むと「ある言葉」が消されていることに気づく。その言葉や概念が消えた世界は、その言葉や概念がなくなった世界であろうか。戦争のない世界は、戦争という言葉がない世界だろう。いつ訪れるかもわからない、おとぎ話のようにもきこえる理想の世界がこの平面空間にはある。


撮影：山岸誠司

2024 / 4枚の旗、4本のポール

h1000mm x w1000mm （4sheet）

《peace flag》

展覧会の導入として、屋外に《peace flag》を設置した。この旗は、1960年代にイタリアで考案された平和の旗を参考にしている。虹色の中央部分に、白い文字で「平和」を意味する言葉が記されており、戦争への抵抗、平和を求める意志を表している。このメッセージは、ギャラリー内の来場者だけでなく、ギャラリーの前を行き交う人々にも向けられている。

《bar flag》
アイコンとしてのフリー・スイカ・バーの旗。

《olive flag》
国連の旗から地球を消し、オリーブだけを残している。国連預かりとなっているパレスチナ問題の解決策はなかなか見えてこないこと、オリーブ生産が盛んなパレスチナへの連帯を示している。

《open flag》
オノ・ヨーコの有名な作品「WAR IS OVER」を引用し、BARが開いていることのポジティブさとネガティブさが同居している。

屋外撮影：高橋喜代史
室内撮影：山岸誠司

「OK/CK」

2024/木材、LEDライト/2500x1800x50

「OKCK」

2024/映像/60sec

手話はもちろん、指文字やハンドサインも言葉であり文字であると捉えハンドサインをモチーフとした。

日本でのOKサインは、了承やお金を表すほか、阿弥陀如来の来迎印（らいごういん）とも同形である。臨終の際、阿弥陀仏が西方極楽浄土より迎えに来るときの右手のポーズだ。フランスではゼロをあらわし、ラテンアメリカでは相手を性的に侮辱する意味があり、アメリカでは近年、白人至上主義のシンボルとして人種差別を示すものへと意味の変化が起きている。日本ではポジティブなハンドサインが、海外の一部ではネガティブな意味をもっている。

今作は、親指と人差し指が接していないことからOKサインのようでありながら、CKともいえる曖昧な状態だ。これから指はつくのか、はなれたあとなのか、前後の時間や想像の余白が発生している。光の色を様々に変化させることで一面的ではない多面的な存在として立脚させたいと考えた。映像作品はOKとCKの違いを抽象的に語りかけている。

言葉は関係を築きもすれば破壊もする。言葉の多面性を認識し立体的に制作することで、視覚言語としての言葉のあり方を探している。


撮影：山岸誠司

BODY/LANGUAGE/MURORAN

BODY/LANGUAGE

2023 / video（00:50)

When I was playing a gesture game with my children, I was interested to read in a book that gesture games are the beginning of language.
Body language as a physical language is often transmitted across national borders as a form of nonverbal communication, and I decided to rethink body language as a primitive language that transcends time, country, and generation.

BODY/LANGUAGE/MURORAN

2023 / 映像（00:50）

子供とジェスチャーゲームをすることがあり遊んでいたところ、とある本にジェスチャーゲームが言語の始まりという話があり興味を持った。
身体言語としてのボディランゲージは非言語コミュニケーションとして国境を超えて伝わることも多く、時代も国も世代も超えるプリミティブな言葉としてボディランゲージを捉え直してみようと考えた。

2023年/塗装、木材/サイズ可変

本作は、2023年「鉄と光の芸術祭」で室蘭市内の旧絵鞆小学校に展示した。世界は多面で重層、物事も人も歴史もすべては見えない。だからこそ、消された箇所や隠れた部分を推論・想像できる自由がある。

旧絵鞆小学校のグランドは絵鞆貝塚があり、そこから発掘される土器や石器などから古くからこの土地で暮らしていた人々の痕跡や文化を推察できる。旧絵鞆小学校は2つの円形校舎からなるユニークで可愛らしい建築が特徴的で、地域住民と共に歩んできた122年の小学校の歴史がある。無数の記憶がこの建物に染み込んでいる思い出すことと想像することはどこか似ている。記憶と想像が同時に平行する空間を試みた。

撮影：今村育子

COMPANY

2023 / video installation / mixed media,video（11:28)

The video installation "COMPANY" captures the phenomenon of the increasing number of artist-created COMPANYs in Japan.

The word "COMPANY" originates from "a friend who eats bread together.

Today, the word COMPANY means "Corporations, Friend, or Companion." Using these words as a starting point, the work loosely connects several phenomena, including tokens, which are said to be the origin of letters; gesture games and body language, which are said to be the origin of words; issues and prospects in rural areas and the periphery; artists’ alliance; and the history of companies, while also loosely connecting them. The exhibition will focus on the future of society.

The structure of language and the structure of society are similar in some ways, and I am reexamining the workings of society through language.

This work "COMPANY" will continue to interview artists who have started their own companies in turn.

COMPANY

2023 / 映像インスタレーション/mixed media、映像（ 11:28 ）

映像インスタレーション「COMPANY」は、アーティストが作るCOMAPANYが日本に増えてきた現象を捉えた作品です。COMPANYの語源は「パンを一緒に食べる仲間」です。

現在のCOMPANYという言葉には「会社・友人・仲間」という意味があり、それらの言葉を起点に、文字の起源といわれるトークン、言葉の起源といわれるジェスチャーゲームと身体言語、地方や周縁の課題と展望、アーティストの連帯、会社の歴史など、いくつかの現象をゆるやかにつなげつつ、これからの社会のあり方へと眼差しをむけます。

言葉の構造と社会の構造は、似ているところがあり、私は、言葉を通して社会の営みを見つめなおしているのです。 

「COMPANY」は今後も会社を立ち上げたアーティストにインタビューを順次行っていく予定。

BODY/LANGUAGE

2023 / video（00:40)

When I was playing a gesture game with my children, I was interested to read in a book that gesture games are the beginning of language.
Body language as a physical language is often transmitted across national borders as a form of nonverbal communication, and I decided to rethink body language as a primitive language that transcends time, country, and generation.

BODY/LANGUAGE

2023 / 映像（00:40）

子供とジェスチャーゲームをすることがあり遊んでいたところ、とある本にジェスチャーゲームが言語の始まりという話があり興味を持った。
身体言語としてのボディランゲージは非言語コミュニケーションとして国境を超えて伝わることも多く、時代も国も世代も超えるプリミティブな言葉としてボディランゲージを捉え直してみようと考えた。

2022 / W3500xD1900xH2000 / LEDライト、鉄、木

「東を西にかえる」を展示した室蘭市蘭西地区は、室蘭の南西に位置し、海と山があり、工業都市として発展したはじまりの場所であり、歴史的建造物が残る旧市街があり、駅を出るとすぐにスケボーのバンクを擁するレインボー公園がある。駅前でスケボーができる自由さに感銘を受けレインボー公園に展示した。

2019年から室蘭に通いはじめ、鉄と光の芸術祭を共に企画するプロジェクトメンバーと話をするなか、室蘭や蘭西地区に沢山の魅力とポテンシャルがあることに気づかされた。街の人とたちと会話と対話と雑談を重ねながら、みんなの中にある複雑な感情を具現化する、蘭西地区のシンボルとなるような、街のカンバンとなるような作品を作ろうと考えた。

室蘭の漢字のなかにある東を西に変えることで、蘭西地区のプライドと存在感、ここが起点であることへのリスペクトをあらわしている。今作は、街の人達との会話と対話と雑談がベースとなっていることから「雑談芸術（chat art）」という言葉を作ってそうよんでいる。

'Change east to west'2022 / W3500xD1900xH2000 / LED light, iron, wood

Carrying 100,000 Years on Our Shoulders

2021 video installation / signboard, garbage bags, canvas, glass, video (13:10)

This is an installation which consists of a film projection with a banner and three black bin bags that appear in the film, 3 glass objects and a flat panel depicting the words, NOT IN MY BACK YARD. The film documents the artist’s intervention in Suttsu town, Kamoenai village and Tomari village. He stood outside the town halls holding a banner that says ‘Please keep this bag for a year. I will pay you 10,000 yen.’ in front of bin bags containing unknown objects. The work questions the self-contradiction that many people face in the so-called NIMBY (Not in My Back Yard) attitude in the discourse over the issue of proposed developments in their local area such as construction of military and nuclear facilities. （Hirai Kikka）

10万年をせおう

2021 / ビデオインスタレーション/看板、ゴミ袋、キャンバス、ガラス、ビデオ（ 13:10 ）

本作は、壁面投影した映像作品に、作中で使用した手持ち看板と黒いゴミ袋と、3点のガラスのオブジェ、「NOT IN MY BACK YARD」の文字から成る平面作品を加えて構成した映像インスタレーション作品。映像には高橋が寿都町、神恵内村、泊村の3箇所で行った行為の記録が含まれる。その行為とは、中身の見えないゴミ袋を携えた高橋が「この袋を1年間、保管してください。1万円支払います。」と書かれた看板を持って役場前に立つというものだ。軍事施設や核施設などに代表される「忌避施設」の設置をめぐる議論、通称「NIMBY」(Not In My Backyard:「我が家の裏庭にはお断り」の意)をテーマの根底に据え、多くの人が抱える普遍的な自己矛盾に問いを投げかけている。（平井菊花）

ドローイング：

「white chain」
2021/アクリル、紙

「右が左で、左が右で」
2021/ペン、紙

「多面で立体で建築で、ここに住めて、 光を感じて、色を感じて」
2021/アクリル、紙

「1でiで線で棒で面で穴で溝で壁で」
2021/ペン、紙

「言葉は橋をかけたりこわしたり」
2021/ペン、紙

drawings :

white chain
2021/Acrylic on paper

Right is left, left is right.
2021/pencil on paper

It's multifaceted, it's three-dimensional, it's architectural, it's a place to live, to feel the light, to feel the colour.
2021/acrylic on paper

"1, i, line, rod, surface, hole, groove, wall."
2021/pen on paper

"Words can build and break bridges."
2021/pen on paper

videos ：

「copy paper sounds」
2016/映像(2’30”)

「conversion」
2020 /映像(2’30”)

「poster」
2018 /映像(8’54”)

「A to Z」
2021 / 塗料、木材/ 75x65x387


最初から最後まで、全て、という大きな言葉「A to Z」を、小さくシンプルに一つの形として造形。
あくまでもアルファベットの全てであり他言語を含んでいないところ、
AとZを同時に見ることができないことなど、限界と可能性の両義性を表している。


A to Z
2021 / paint, wood / 75x65x387


A to Z" is a small and simple form of the big word "A to Z", which means everything from the beginning to the end.
It is a small and simple form of the big word "A to Z".

「West & East」　　
2021 / 真鍮 / サイズ可変（5600x5600x5600）

結界や境界を示す鎖などのチェーンがつくりだす円弧のフォルム、重力にデザインされた自然な形態に興味を持っていた。鎖のフォルムと、あちらとこちらに橋が架かっている状態を組み合わせた作品を作ろうと考えた。西からはWが、東からはEが部屋の中心へと向かい、文字が連なって一つのアーチをつくっている。重力と方位がつくるアーチの造形はWとEが結びつくことで、中心がWE（私たち）になる。西と東がつながるアーチは橋にもなるし北と南を分断する境界にもなる。向こうとこちらを分断し、鑑賞者の導線をほんの少し妨げる言葉の鎖は、言葉のもつ功罪を象徴している。

West & East　　

2021 / Brass / Size variable

I have always been interested in the arcing forms created by chains, the natural forms designed by gravity to mark boundaries and boundaries.The idea was to create a work that combined the form of a chain with the state of a bridge between here and there. The letters W from the west and E from the east head towards the centre of the room, forming a single arch.The arch formed by gravity and orientation is connected to W and E, making the centre WE. The arch that connects the west and the east becomes a bridge and a boundary that divides the north and the south. The chains of words that divide the two sides and slightly obstruct the viewer's line of sight symbolise the merits and demerits of language.

「Carrying One’s Words」

2021 　video installation / signboard, video (8:45)

The film follows the artist carrying a big signboard on his back whilst walking on a road. The signboard says ‘everyone carries their own signboard’, and the style of the writing suggests it was handwritten or it was written with a brush, but at the same time, it looks like a typeface. The wind is strong. The microphone catches the wind and the squeaking sound of the wooden frame. The artist staggers along the way as he is fanned by strong wind.

The word for signboard, kanban, was used to describe the main kabuki actors, who were painted on the ‘signboard’ in front of the theatre as they would bring in more people. Then the word started to be used as a metaphor to describe a role or a statement of their policy. The spread of social media has given us the freedom to express our private thoughts and episodes to the whole world. However, this also comes with the risk that our words and actions are spread around the world immediately and remain there forever.

Staggered by overpowering nature, the artist gets up again and again and keeps walking carrying his ‘words’. The persistence he shows in this film somewhat overlaps with the process of his quest for positive and negative implications that words carry and how they relate to the world. （Hirai kikka）

「言葉をせおう」

2021　ビデオインスタレーション/看板、映像（8:45）

大きすぎる看板を一人で背負い、一本道をひたすらに進む高橋の後ろ姿。看板に書かれた「人はみな それそぞれの カンバンをせおう」の文字は、一見手書きの筆跡かのように思われるが、均一な線で結ばれ、どこか活字のような無機質さが漂う。強い風が吹 いている。マイクに当たる風切り音。看板の木枠がきしむ音。道 なかば、突風に煽られ、高橋はよろめく。

「看板」という言葉は、歌舞伎の人寄せに使われた役者看板か ら転じて、他者に対して示されるその人の役割や姿勢の比喩としても使われる。 私たちはSNSの普及によって、全世界に向けて私的な思想やエピソードを発信する自由を得た。しかしそれは同時に、自らの言動が世界に拡散され、半永久的に残り続けるリスクを引き受けて生きることを意味する。 抗いがたい自然現象に翻弄されながら、それでも言葉を背負いなおし、歩みを止めない作中の高橋の姿は、言葉の功罪や世界とのかかわり方を模索し続ける作家の探求の過程と重なるかのようである。 （平井菊花）

Brush Series 5 “BBQ STOVE”

2021 installation / barbecue stove, canvas, video （00:17)

This started out as an attempt to reconsider, in the context of contemporary art, the manifestation of the instantaneous nature of calligraphy and the values of the “Four Treasures of Literature” rooted in the East Asian Calligraphic Tradition. In the past, there was a custom among Chinese writers to call the brush, paper, ink, and ink stone as the “Four Treasures of Literature” and to admire them as works of art. Reflecting this tradition, Takahashi defined all the tools for handling ink as brushes and produced brushes that have both function and aesthetics. “The Brush Series” consists of three elements: the handmade brush as an object, the act of spraying ink on the canvas as performance, and the outcome produced by the act as a painting. His latest work BBQ STOVE , however, shows a challenging deviation from his tradition that consists of video footage, involving a barbecue stove, and a canvas that demonstrates the evidence of the act. In the video, Takahashi places the canvas on the ground, turns the barbecue stove upside down and scatters burning charcoal around on the canvas. The sparks instantly catch on fire, leaving charred holes and traces of soot. In this work, the ink was replaced by charcoal and the handmade brush was exchanged for a ready-made barbecue stove. This is an experimental work that dismantles the conventional “Brush Series” methodology of bursting ink on the canvas while it maintains the instantaneous nature of calligraphy. （Hirai Kikka）

筆シリーズ5 「BBQ STOVE」

2021年 インスタレーション/バーベキューコンロ、キャンバス、映像(00:17)

本シリーズは、書がもつ瞬間性の表出や、東洋に根付く「文房四宝」の価値観を現代美術の文脈でとらえ直す試みとして出発した。かつて中国の文人たちの間には、筆、紙、墨、硯という4種の道具を「文房四宝」と呼び、美術工芸品として眺め愛でる風習があった。高橋は“スミ”を扱う道具をすべて「筆」と定義し、用と美を兼ね備えた「筆」を自ら作り出すことから始めた。本シリーズの作品は、手製の「筆」、墨汁のしぶきを画面に打ち付ける行為、 行為の果てに生み出された絵画の三点から成り、オブジェ、パフォーマンス、ペインティングの三要素を兼ね備えている。新作となる《BBQ STOVE》には、前述した手法からの 挑戦的な脱却がみられる。本作は、行為の過程を記録した映像と、使用した バーベキューコンロ、行為の痕跡を物語るキャンバスの三点から成る。高橋は キャンバスを地面に置き、バーベキューコンロを引っくり返して熾おこした木炭を撒き散らす。火種は一瞬で燃え移り、画面には焦げた穴や煤すすの跡が残されている。墨汁は木炭に、手製の「筆」は既製品のバーベキューコンロに姿を変えた。 書が持つ瞬間性の表出はそのままに、画面に墨汁を噴射するという従来の「筆 シリーズ」の方法論の解体を試みた実験的な作品といえよう。 （平井菊花）

「しとしと」（雨の音）
2021 / 銀塩プリント、アルミ板/ 500x750x20

「しんしん」（雪の音）
2021 / 銀塩プリント、アルミ板 / 500x750x20

オノマトペシリーズの「トン・ツー画」。

雪が「しんしん」と降りしきる音をモールス信号の「－－・－・（し）」と「・－・－・（ん）」で表しています。
雪が降る情景をモールス信号の点と線で見立て、音もなく雪がしんしんとふっている風景画ともいえます。

「しとしと」は雨が降る様子をモールス信号の「－－・－・（し）」と「・・－・・（と）」で表しています。
こちらも雨がしとしとと降ってくる情景をモールス信号の線と点で見立てています。
モールス信号は、主に音や光を用いる伝達手段ですが、線と点による文字でもあります。
視覚的シンプルさと、日本の情景を重ねあわせることで、静かな余韻と余白の世界観を表現しています。


SHITO-SHITO (The sound of rain )
2021 / silver halide print on aluminium plate / 500x750x20

SHIN-SHIN (sound of snow)
2021 / silver halide print on aluminium plate / 500x750x20 　

A new series of the Onomatopoeia series, "Ton-Two Pictures".

The sound of snow falling is represented by the Morse code "- - - (sh)" and "- - - (n)".

The scene of falling snow is represented by the dots and lines of the Morse code,

and it can be said that this is a picture of a landscape where snow is falling silently.

In "Shitto Shito", the rain is expressed by the Morse code "---...(sh)" and "---...(to)".

This one also uses the lines and dots of the Morse code to represent the scene of the rain falling.
Morse code is mainly a means of communication using sound and light,

but it is also a script using lines and dots. By combining visual simplicity with a Japanese scene,

the work expresses a world of quiet reverberation and blank space.

2021 /ネオンサイン、モニター/ ネオン（1000x1000x100）、映像(2:45)

展覧会はグッドニュースからはじまる。
グッドニュースは2度うれしい。「グッドニュースがあるよ」という知らせそのものがグッドニュースだ。
この作品は、THAT’S GOOD NEWSから始まり、連想ゲームのように、文字と言葉とイメージが進行していく。その組み合わせは、関係があったりなかったり、ズレていたり。
それは、余白であり、別経路であり、誤読であり、道草のようなものだ。
グッドニュースとは福音の意味があり、「我ら、勝てり」という勝利の福音を届ける為にマラトンからアテナイまでの40kmを走破したことが現代のマラソンの由来とされる。
2021年8月、新型コロナウイルスのパンデミックの中、東京オリンピック2020が開催され、札幌でもマラソンが開催されたことは誰にとっての福音だったのだろう。
偶然と必然を両翼に私たちは旅にでる。みじかい旅のような展覧会の始まりに、あたかもどこかの施設のエントランスに置かれた案内ロボットのように、この作品が来館者をお出迎えする。
あなたの来館はグッドニュースに他ならない。


GOOD NEWS

2021 / neon sign, monitor / neon(1000x1000x100), video(2:45)

The exhibition begins with good news.
Good news is twice as good. The good news is that there is good news. This work begins with THAT'S GOOD NEWS and progresses through letters, words and images like an association game. The combinations are related, unrelated or misaligned. It is a margin, an alternative path, a misreading, a waywardness.
Good News means Gospel, and the modern marathon originates from the 40km run from Marathon to Athens to bring the Gospel of Victory, "We have won" In August 2021, in the midst of a new coronavirus pandemic, the Tokyo Olympics 2020 were held in Sapporo. In August 2021, in the midst of a pandemic of the new coronavirus, the Tokyo Olympics 2020 were held and the marathon was held in Sapporo.
Coincidence and inevitability are the two wings of our journey. At the beginning of the exhibition, which is like a short journey, this work welcomes you like a guide robot at the entrance of an institution.
Your visit is nothing short of good news.

ザブーン　　
2021/鉄、塗料/W3600×H2400×D1500mm

2007年の夏、ギャラリーをまわって飛びこみ営業をしようとニューヨークに1ヶ月半滞在した。7月後半になると夏休みのためギャラリーがバタバタ閉まりだし、ぽっかりと時間ができてしまった。そんなとき友人から、波に飛びこむ「ザブーン」という遊びを教わり、暇さえあればコニーアイランドビーチに行っては波に飛びこんでいました。現地の人たちと一列になって、大きな波にむかって走っていく高揚感。愛想のないギャラリストにポートフォリオを見てもらうようお願いする緊張感。飛び込んだ波の中で上下左右がわからなくなる無重力感。現地の美術関係者に「いまどきポートフォリオ見てもらうなんて時代遅れだよ」といわれる無力感。NYで経験した恥ずかしさや悔しさや楽しさがまぜこぜになって14年経った今もじんわり残っている。そんなNYのギャラリーとNYの海に飛びこんでいたころに、今作「ザブーン」のイメージがうかんだ。文字を象った「オノマトペシリーズ」は、擬音語や擬態語があらわす躍動感や動態、目に見えない心情や感情などを立体文字として視覚化しています。今作「ザブーン」は、時に脅威にも喜びにもなる自然と人間の関係や、越えられない壁にぶつかっていくような気持ちを、波に飛びこむ音と波の形で現しています。文字の形を見ること、言葉を読むこと、頭の中に音が鳴ること、形と語と音が同時にあるのが、オノマトペの多面性であり面白さです。言葉は人と人を繋いでくれますが、言葉が壁を立て分断をまねいてしまう側面もあります。そのような言葉がもつ多義性を、美術家として視覚的に現わせるよう探求しています。



Zaboom (Japanese for “splash”)
2021/iron,paint/W3600×H2400×D1500mm

In summer 2007, I stayed in New York for one month and a half with the plan to tour galleries and do walk-in sales. In the second half of July, galleries were busy closing for summer holidays, which gave me a bit of time to spare. In this moment, my friend taught me how to play to Zaboom, a game consisting of jumping into the waves. As long as I had free time, I would go to Coney Island’s beach, and jump into the waves. It was exhilarating to line side by side with local people, and run in the direction of big waves. I felt nervous when presenting my portfolio to a prickly gallerist. I experienced weightlessness when I couldn’t distinguish the left from the right, and between top and bottom, inside the wave I had jumped in. I felt helpless when a local art expert told me that it was old-fashioned to bring a portfolio nowadays. The embarrassment, frustration, and fun I have experienced in New York got all mixed together, and still gradually remain fourteen years later. This is when I was jumping into these galleries and the sea in New York that I visualized the image for this work entitled Zaboon (Japanese for “splash”).

In my “Onomatope series” featuring written characters, lively motion and movements expressed with imitative words and mimetic words, as well as sentiments and emotions invisible to the eyes, are visualized in the form of three-dimensional characters. This work, Zaboom, expresses the relationship between humans and nature, which can sometimes be threatening or bring happiness, as well as the feeling of bumping into an insurmountable barrier, by representing the sound made by jumping into the water and the shape of waves. Looking at the form of characters, reading words, and hearing sounds in our head—in other words, the simultaneous coexistence of the form, the word and the sound—is the multidimensional nature and interesting part of onomatopoeias.Language connects people, but it can also build barriers and divide them in some aspects. As an artist, I pursue visual ways to express the polysemy carried by words.




撮影：小牧寿里

movie/2:30/2020

In a snowy region, you can easily recognize the effect of global warming by visually judging the amount of snow. The snow would be changed to water drops, to ice, and to snowball by the cause of natural environment or the artificial cause. Through observing the transition of snow or ice, I have tried to take shots of invisible phenomenon and the change of environment. The consideration of the relationship between humanity and energy, such as the fever of human body, the sunlight and fire as the first energy for the human, are based on this work.

映像/2:30/2020

雪国は、雪の多い・少ないで温暖化の影響を視覚的に認識しやすい。雪は様々な自然環境や人為など外的要因により、水や氷や雪玉などへ刻々と変化する。そのような雪や氷が変化していく様子を撮影することで、目に見えない現象や環境を記録できないかと考えた。体温の熱。太陽の光。人類が最初に手にしたエネルギーの火など、人類とエネルギーの関係についてこれからも考察していきたい。

raft
2019/print/841x1189mm

小さなイカダに世界中の言語（google翻訳できる言語）で「助けて！」と書かれた看板がくくりつけられている。

2019 / ABS樹脂/ 300x300x230

2019 / アクリル/ 900x450x150

2018/movie/13:54

Japan accepted just 0.1% of asylum seekers, which means only 20 people despite a record 19,628 applications in 2017. Holding up a poster with “HELP!” written on it in three languages, Japanese, English and Arabic, on a busy street in Sapporo’s downtown attempted to address the issue of asylum seekers in Japan. Using words that mean essentially the same thing in different linguistic and cultural backgrounds, this work is documentation of an imaginative action attempting to connect to its cultural context; in this case, the situation of the asylum seeker. Does asking for help to hold up a large-sized poster alone synchronize the situation of a person seeking asylum in Japan?With this question, the action is an experiment in connection between my circumstances in Sapporo and an event somewhere in the world.

2018/映像/13:54

日本における難民受入について。
2017年、日本に難民申請をした外国人１万9628人のうち、難民認定された申請者は20人と約0.1%に留まる。今作「poster」は、そのような日本の現状を下敷きに、英語、日本語、アラビア語、3つの言語で「助けて！」と描かれたポスターを街なかに掲示する行為の記録である。 大きなポスターを1人で貼ることに助けを求める行為と、日本に助けを求めて難民申請をする人々の状況を重ねること。世界のどこかで起こっている出来事と、札幌で暮らす自分を接続する試みとして、同じ言葉で違う背景を透かしてみたい。

2017/movie/8:47

Synchronicity of language - the question and the possibility of translation.

Carrying a sign with “HELP!” written on it in three languages, Japanese, English and Arabic, I stand on a busy street of Sapporo city. I am thinking about the issue of asylum seekers in Japan. Using words that mean essentially the same thing in different linguistic and cultural backgrounds, this work is documentation of an imaginative action attempting to connect to its cultural context; in this case, the situation of the asylum seeker. Am I passed in the hustle in the same way as others who seek help? This work is not about the issue somewhere else but rather about a question of my own attitudes.


2017/映像/8:47

言葉の共時性 について　ー　翻訳の問題または可能性

英語、日本語、アラビア語の3つの言語で「たすけて」と描かれた長い看板を街中で掲げる。これは、日本における難民の受け入れ問題を起点とし、文化的背景の異なる言語で同じ意味を持つとされる単語を用いる事により、それぞれの言葉の持つ意味空間を想像する行為である。他人が助けを求めていても、通りすぎゆく雑踏の中に自分もいるのではないだろうか？これは遠い異国の話ではなく、自らの姿勢を問う自分自身の話。

2016/movie/2:30

The sound of the Ōnusa, a wooden wand with paper streamers used in Shinto rituals, is beautiful and inspired me to make work referring to this sound. Having practiced calligraphy and drawn manga, I find paper to be a very familiar material. Japanese-style houses are partly built with paper: kakejiku, a hung scroll; wall paper; fusuma, a sliding door covered with thick paper on a wooden frame; and shoji screens that let in lovely light. Knowing the richness of paper to flexibly enlarge and reduce the size of a space, I would like to deepen my thoughts working on the sound of paper and paper as material of my work.


2016/映像/2:30

神社で大麻（おおぬさ）を振る音を耳にしてから「紙の音の美しさ」を感じ、紙の音で作品を制作したいと考えた。思い返せば、書道や漫画をたしなんでいた自分にとって紙は近しい素材であり、日本家屋においても、襖や掛け軸、壁紙、障子とその光など、紙を素材とした造形美と空間可変性の豊かさがある。それを知るにつれ、紙と紙の音について作品化しながら思考を深めていきたいと考えている。

2014/wood,rope,sheet/variable size (face unit:1800x2700x200mm)

2014/木材、綱、出力シート/サイズ可変（顔部分：1800x2700x200mm）

2014/wood、clay、copper/4800x600x800mm



2014/木、粘土、銅/4800x600x800mm

2012/sheet/900x4000

2011/mixed media/2011/mixed media/hサイズ可変×w1800×d1000

2011/Belt conveyor、ink

2011/ベルトコンベアー、インク

2011/iron/h4600×w1016×d787 （各h230×w1016×d787 ）

2011/apple,photo,panel sheet/valiable size

2011/りんご、写真、パネル/サイズ可変

筆シリーズ 4 「ビームサーベル・エンジン」


東洋の書の世界では、筆、硯、紙、墨を文具４宝とよび、道具そのものを芸術品として重宝しています。

「墨がでるものは筆」と定義している筆シリーズは、噴射される墨の勢いや儚さで、書のもつ瞬間性を筆で抽出しています。

筆シリーズは「オブジェ（筆）」「パフォーマンス（揮毫）」「ペインティング（書）」の3つの要素から１つの作品となります。

東西の文化、立体・行為・平面の異なる次元などをむすびつける試みです。


Brush series 4 “BEAM SABER ENGINE”


In the Oriental world of calligraphy, the brush, inkstone, paper and ink are known as the "Four Treasures of the Art of Writing",
and the tools themselves are treasured as works of art.

The brush series, which is defined as "a brush that produces ink", extracts the instantaneous nature of calligraphy through
the momentum and fragility of the ink jet.

The brush series consists of three elements:
an object (brush),
a performance (kigou)
and a painting (calligraphy).

It is an attempt to connect the cultures of East and West,
and the different dimensions of three-dimensionality, action and two-dimensionality.

筆シリーズ 3 「SAMURAI」


東洋の書の世界では、筆、硯、紙、墨を文具４宝とよび、道具そのものを芸術品として重宝しています。

「墨がでるものは筆」と定義している筆シリーズは、噴射される墨の勢いや儚さで、書のもつ瞬間性を筆で抽出しています。

筆シリーズは「オブジェ（筆）」「パフォーマンス（揮毫）」「ペインティング（書）」の3つの要素から１つの作品となります。

東西の文化、立体・行為・平面の異なる次元などをむすびつける試みです。

Brush series 3 “SAMURAI”


In the Oriental world of calligraphy, the brush, inkstone, paper and ink are known as the "Four Treasures of the Art of Writing",
and the tools themselves are treasured as works of art.

The brush series, which is defined as "a brush that produces ink", extracts the instantaneous nature of calligraphy through
the momentum and fragility of the ink jet.

The brush series consists of three elements:
an object (brush),
a performance (kigou)
and a painting (calligraphy).

It is an attempt to connect the cultures of East and West,
and the different dimensions of three-dimensionality, action and two-dimensionality.

Psycogun:brush
2007/mixed media/600x6001200

Psycogun:Performance
2007/1 second

Psycogun:Painting
2007/sheet,japanese ink/1800x1800

東洋の書の世界では、筆、硯、紙、墨を文具４宝とよび、道具そのものを芸術品として重宝しています。

「墨がでるものは筆」と定義している筆シリーズは、噴射される墨の勢いや儚さで、書のもつ瞬間性を筆で抽出しています。

筆シリーズは「オブジェ（筆）」「パフォーマンス（揮毫）」「ペインティング（書）」の3つの要素から１つの作品となります。

東西の文化、立体・行為・平面の異なる次元などをむすびつける試みです。


In the Oriental world of calligraphy, the brush, inkstone, paper and ink are known as the "Four Treasures of the Art of Writing",
and the tools themselves are treasured as works of art.

The brush series, which is defined as "a brush that produces ink", extracts the instantaneous nature of calligraphy through
the momentum and fragility of the ink jet.

The brush series consists of three elements:
an object (brush),
a performance (kigou)
and a painting (calligraphy).

It is an attempt to connect the cultures of East and West,
and the different dimensions of three-dimensionality, action and two-dimensionality.

2007/wood,iron,paint/4200x8000x1800

文字を象った「オノマトペシリーズ」の最初の作品。

擬音語や擬態語の文字を、立体的に壁や床から勢いよく突き出すことで状況や心情、心地よい脱力感などをあらわすオノマトペシリーズ。

目に見えない音や存在しない音を文字や言葉におきかえる言語感覚や漫画表現を視覚言語として作品化。

本来は奥行きや厚みのない文字を立体的に象ることで、文字が読めなくても身体的に体感できるインスタレーションとして展開。

BATMAN:Brush
2004/iron/15x15x800

BATMAN:Performance　
2004/1 second

BATMAN:Painting　
2004/wood,japanese ink/1800x2700x300

筆シリーズ No.1 「BATMAN」

東洋の書の世界では、筆、硯、紙、墨を文具４宝とよび、道具そのものを芸術品として重宝しています。

「墨がでるものは筆」と定義している筆シリーズは、噴射される墨の勢いや儚さで、書のもつ瞬間性を筆で抽出しています。

筆シリーズは「オブジェ（筆）」「パフォーマンス（揮毫）」「ペインティング（書）」の3つの要素から１つの作品となります。

東西の文化、立体・行為・平面の異なる次元などをむすびつけている。


brush series No. 1 BATMAN

In the Oriental world of calligraphy, the brush, inkstone, paper and ink are known as the "Four Treasures of the Art of Writing",
and the tools themselves are treasured as works of art.

The brush series, which is defined as "a brush that produces ink", extracts the instantaneous nature of calligraphy through
the momentum and fragility of the ink jet.

The brush series consists of three elements:
an object (brush),
a performance (kigou)
and a painting (calligraphy)

The work brings together the cultures of East and West, the different dimensions of three-dimensionality, action and flatness.

2004/iron/300x300x600