「言葉の身体/身体の言葉 #05|インドネシア 前編」

8月17日〜8月24日まで、シンクスクールの視察研修として、総勢11名でインドネシアのジャカルタとジョグジャカルタに行ってきた。

大きな目的は2つ。

ジャカルタでは、グッドスクールを訪れ、アートコレクティブと場所の運営について知りたかったこと。

ジョグジャカルタでは、数多く活動しているアートコレクティブの、それぞれの運営や活動について知りたかったこと。

行ってみての結果、想像以上に、学びしかない旅でした。

滞在中は、実際に行くこと、この目で見ること、肌で直接感じることの重要性と、現地で受け取れる情報の密度と量の桁違いの多さを、ヒシヒシと感じていた。

正直、行く前からインドネシアのアートシーンについて話を聞いていたり、ウェブ記事や書籍などでいろいろと見たりしていたので、それほどの情報落差は感じないだろうと高を括っていた。

そして頭の片隅では、インドネシアの民族性や地域性によるものが強く作用しているのだろうし、汎用性も低いかもしれないと、期待をあまり膨らませずに訪れた。

しかし途中で、そもそも僕が「知りたい」と思っていたこと自体の視野が狭かったことに気づき、知りたかったこと以上の、たくさんの気づきを得ることができた。

その気づきに導いていただいたのが、現地を案内してくれた研究者の羽鳥悠樹さん。羽鳥さんはキュレーターの池田佳穂さんにご紹介いただいたのだが、インドネシアの歴史と美術史、東南アジアの美術、日本と東南アジアの歴史的関係などを、大きな視点から解説・紹介しながら一緒に見て回ってくれた。

特に、羽鳥さんに解説してもらいながら見た「インドネシア国立美術館」が、個人的には今回の旅の白眉だった。まず最初にこちらを見てから、現代アートのギャラリーやアートスペース、コレクティブを見て回れたことは、その後のものをメタ的な視点で見るための土台となった。

ジャカルタは都会で、ギャラリーやアートスペースが活発に活動している印象だった。そこから南へ下ると、ルアンルパたちのグッドスクールがある。

一見すると、これまで写真で見てきた場所と同じ光景の中に自分がいることに、ある種の感動すらあった。施設を案内していただくと、その広さと総合力、活動の持続性の高さに、ユートピアにすら見えた気がした。

施設案内に1〜2時間、「知識のマーケット」WS、アップサイクルまたはシルクスクリーンのWS、夕食を食べながらのディスカッション。4時間を予定していた訪問だったが、結局ディスカッションが盛り上がり、6時間を超えていた。

このアテンドの内容自体もきちんとパッケージ化されていて、単なる訪問や内覧ではなく、ビジネスとして用意されていたことにも感心した。

しかし、ドクメンタ2022を見て多少の疑念といくつかの批判的な視点を持っていた僕としては、運営メンバーからお金の話や運営の実情も聞くことで、腑に落ちたところ、さらに感心したところ、やっぱり解せないところが、きちんと棲み分けできた。

すごいはすごい。驚きと感動があった。それは確か。

と同時に、さらに疑念をもたげた。それも確か。

ちなみに、到着した初日の夜、サリナデパートの地下にあるスーパーで、いわゆる「マジックハンド詐欺」にひっかかり、少なくとも5000円は盗られたことも伝えておきたい。

これもまた、大いなる教訓。