言葉の多面性に着目し精力的に映像インスタレーションを制作している高橋喜代史の個展を開催します。近年では、地方や社会の問題に個人の心情を重ねる作品を発表している高橋が、遠い異国の戦争と日本の自分を接続するため、無料でスイカの飲み物をふるまう「フリー・スイカ・バー」を実施しました。本展では、そのプロジェクトにまつわる映像やオブジェと、札幌では未発表の作品を展示します。CAIでは5年ぶりとなる高橋の個展「みえない多面性」を是非ご高覧ください。また、10月19日に木村絵理子氏をゲストにお招きしてアーティスト・トークを行います。「フリー・スイカ・バー」もオープンしますので、友人知人をお誘いあわせのうえお気軽にお越しください。
高橋喜代史展「みえない多面性」
会期|2024年10月12日(土)〜11月10日(日)13:00〜19:00
※会期終了後の11月13日(水)〜12月22日(日)までは、予約制で展覧会をご覧頂けます。
休廊日|月曜、火曜 (※11/4(月・祝)はオープン、11/5(火)、11/6(水)が休廊日となります)
入場|無料
会場|CAI03 札幌市中央区南14条西6丁目6-3
主催|CAI現代芸術研究所/CAI03
協力|空き地、一般社団法人PROJECTA、今村育子、小町谷健彦、高橋研太、常松英史、猫塚義夫、丸田知明
アーティストトーク&フリー・スイカ・バー
日時|10月19日(土)20:00〜21:30 [この日は19:00-20:00も開場しています]
ゲスト|木村絵理子(弘前れんが倉庫美術館館長)
予約制について
11月13日(水)〜12月22日(日)のご予約連絡先|sano@cai-net.jp
※ご返信まで時間がかかる場合がありますので、お早めにご連絡ください。
ステートメント
2023年10月7日からパレスチナはイスラエルの爆撃を受け、凄惨な映像や写真が飛び込んでくるようになった。海外や東京、札幌でもデモ行進が行われている。だが、私はデモ行進に参加していない。なぜかデモ行進に参加できない。だからといって関心がないわけではない、今すぐに爆撃や殺戮や侵略を止めてくれと願っている。でもそう願った1時間後にいつもと変わらない生活を送っていたりもする。時々頭をもたげる正義感もあるが、日々の暮らしに押しやられもする。
そんな自分の中でゆれ動いてしまう流動的で多面的な心情にもリアリティを感じている。そして、そんなゆれる多面性こそを作品にしたいと考えた。
もちろん、こんな自分がパレスチナやガザにまつわる作品を制作していいのか?という逡巡はある。が、どこまでコミットしていたら制作していいという基準はあるのだろうかと考えたとき、美術家なのだから自分で決めたらいいと思った。